こんにちは! Soigner Healthcare代表、上海在住15年目の管理栄養士、SAYA(@s.diet_advise)です。
皆さんは、「美肌やダイエットのためには、まずサラダ(生野菜)を食べなきゃ!」と思い込んでいませんか?
ビタミンや酵素を摂るために、寒い冬でも頑張って冷たいサラダボウルを食べる……。
かつての私も、それが「正解」だと信じていました。
しかし、私が上海に住み始めた15年前、ここでは「野菜を生で食べる」なんてありえないことだったのです。
現地の生活に深く馴染み、変わらない美しさを保つ上海の女性たちを観察する中で、私はある一つの結論にたどり着きました。
それは、35歳を過ぎたら「生野菜」と「温野菜」を季節で使い分けるべきだということ。
今回は、上海在住の管理栄養士がたどり着いた、老けないための「野菜の黄金サイクル」について解説します。
15年前の中国で受けた衝撃「サラダがない!?」

今から15年前、私が中国に降り立ったばかりの頃のお話です。
当時の私は日本の「ダイエット常識」の塊。
「痩せるにはサラダ」「ビタミンは生で摂るべき」。
そう信じて疑いませんでした。
しかし、当時のローカル食堂に入ってメニューを見ても、サラダなんてどこにもありません。
出てくるのは、湯気が立つほど熱々に油で炒めた青菜や、とろとろに煮込まれた野菜スープばかり。
「なんで野菜をこんなに油まみれにするの? ビタミンが壊れちゃうじゃない!」
若かりし頃の管理栄養士の私は、本気でそう憤慨していました。
東洋医学の鉄則。「体を冷やす」は万病の始まり

ある真冬の日、私が家で生野菜を食べていると、現地の友人に驚かれたことがあります。
「SAYA、なんでそんな冷たい草を食べているの? お腹を壊すよ? 女性は体を冷やしちゃダメだよ」
中国には、中医学(東洋医学)の考えに基づいた「寒气」という言葉があります。
これは「冷たいエネルギー」を指し、女性が最も避けるべきものとされています。
なぜなら東洋医学において、「体を冷やすことは万病の始まり」と考えられているからです。
体が冷えると、気や血(けつ)の巡りが滞り、代謝機能が低下します。
それが肌荒れや肥満だけでなく、婦人科系のトラブルや免疫低下など、あらゆる不調の「引き金」になると徹底して教え込まれているのです。
当時の私には衝撃でしたが、彼女たちの肌が、油っぽい食事をしているはずなのに驚くほどツヤツヤだったことが、何よりの証拠でした。
欧米化した今の上海でも、綺麗な人は「温」を選ぶ

あれから15年。
今の上海はすっかり洗練され、Wagasのようなおしゃれなカフェでサラダボウルを食べる若い中国人も増えました。
しかし、私が美容業界で出会う「35歳を過ぎても驚くほど若々しい女性たち」は、今でも流行りに流されず、頑なに「温かいもの」を選んでいます。
彼女たちは知っているのです。 「冷え」こそがエイジングの最大の敵であり、自ら病気を招く行為であることを。
管理栄養士の結論!35歳からの「野菜の黄金サイクル」

では、私たちは生野菜を一生食べてはいけないのでしょうか?
いいえ、そうではありません。
生野菜には「酵素」や「ビタミンC」など、加熱に弱い栄養素をダイレクトに摂れる素晴らしいメリットがあります。一方で、「体を冷やす」という大きなデメリットもあります。
そこで私がたどり着いたのが、「季節に合わせて食べ分ける」というスタイルです。
【春夏】は「生野菜」でデトックス
気温が高い春夏は、体の熱を逃がす必要があります。
この時期は「生野菜」を解禁し、酵素やビタミンをたっぷりとって、冬の間に溜め込んだ老廃物をデトックスします。
【秋冬】は「温野菜」で徹底保温
逆に、気温が下がる秋冬は、生野菜をなるべく封印します。
この時期に大切なのは「内臓温度を下げないこと」。加熱することでカサを減らし、たっぷりの量の野菜をスープや蒸し野菜で摂ります。
その不調、「良かれと思ったサラダ」が原因かも?

もしあなたが今、「毎日野菜を食べているのに、便秘が治らない」「肌のくすみが取れない」「手足が冷える」と悩んでいるなら。
それは、今の季節に合わない「冷たい野菜」が内臓を弱らせているからかもしれません。
食事を「衣替え」するように、野菜の食べ方も季節に合わせて変えてみませんか?
今は冬。
まずは今日から、サラダをお休みして「温かいスープ」に変えるだけで、体は必ず応えてくれますよ。