こんにちは!
Soigner Healthcare代表、上海在住管理栄養士の中平彩香(SAYA @s.diet_advise)です。
あなたは、冬になるとこんな変化を感じませんか?
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生理前のイライラが強くなる
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下腹部痛や頭痛がいつもよりつらい
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むくみ・便秘・だるさが悪化する
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手足が冷えて眠りが浅くなる
もし1つでも当てはまるなら、“冬の冷えがPMSを悪化させるメカニズム” が働いている可能性があります。
冷えを感じる人の多さ

「冷え」は単なる主観ではありません。
実際に医学データでも“冷えを感じる日本人の多さ”が報告されています。
米国国立医学図書館(PMC)で公開されている
Clinical Data Mining Related to the Japanese Kampo Concept “Hie”という大規模な臨床研究では、4,000名以上の日本人の診療データを解析し、約60%が冷え(hie)を感じていたことが明らかになっています。
この研究の対象は「医療機関を受診した人」であり全国民ではありませんが、他の研究でも同様の傾向があるため、日本では冷えを自覚する女性が非常に多いということは医学的にも裏付けがあります。
特に女性は、ホルモンバランスと血流の影響を受けやすいため、男性より冷えを訴える割合が高いことも報告されています。
東洋医学の視点で考えるなぜ冬はPMSが悪化するのか?

1. 冷え=「寒邪」は気血を滞らせる
東洋医学では、冬の冷え(寒邪)は、血管や体内の流れを収縮させ、巡りを悪くする と考えられます。
その結果、
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下腹部の血流が低下
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子宮まわりのうっ血
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頭痛・むくみ
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イライラ・不安定なメンタル
などのPMS症状を悪化させる原因になります。
● 2. 「腎」が弱りやすく、ホルモンバランスが乱れる
東洋医学で冬は“腎が弱りやすい季節”。
腎はホルモン・生殖・生命力を司るため、腎が弱るとホルモンバランスの調整が乱れやすい → PMSが悪化という流れが起こります。
● 3. 冷えとPMSは悪循環をつくる
冷え → 血流低下 → PMS増悪
PMS悪化 → 自律神経乱れ → 冷え悪化
冬はこの悪循環が起きやすい季節です。
冬のPMSを軽減する東洋医学のセルフケア

● 1. 温めるべきは「3カ所」
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下腹部(丹田)
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腰(命門)
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足首(太渓・三陰交)
特に足首は、女性の体調に関わる腎経・肝経・脾経が交わる重要ポイント。
レッグウォーマーやカイロは“即効性”があります。
2. 食事は「腎を補う黒い食材」を
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黒豆
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黒ごま
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ひじき
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のり
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きくらげ
腎を養い、ホルモンと血流の土台づくりを助けます。
さらに、生姜・ネギ・味噌・シナモンなどの温め食材を組み合わせると内側から巡りが改善。
3. 軽い運動で気血を巡らせる
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骨盤周りほぐし
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腸腰筋ストレッチ
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深い呼吸
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ゆるいウォーキング
これらは「気滞(気の流れの停滞)」を解消し、PMS症状を軽減します。
冬は“蓄える季節”

東洋医学では冬は「蔵(ぞう)」の季節と呼ばれ、無理に消耗せず、
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温める
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栄養を補う
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巡りを止めない
ことが次の季節の体調を決める、とされています。
特に35歳以降の女性は腎の力がゆるやかに低下し始めるため、冬の“冷えケア”はPMSだけでなく、更年期前後の不調予防にも直結します。
まとめ

冬にPMSが強まる背景には、冷え・血流低下・腎の弱り・ホルモンバランスの乱れが影響しています。
医療データ(PMC論文)でも、日本人の約60%が冷えを経験する という報告があり、冷えは多くの女性に共通する課題です。
今年の冬は、
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下腹部・腰・足首を温める
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腎を補う食材をとる
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軽い運動で巡りを確保する
この3つを意識するだけで、PMSのつらさは大きく変わります。