上海に住んでいると、5月末から6月にかけて体に変化を感じませんか?
「なんとなく体が重い……」
「朝起きても疲れが取れていない気がする」
「食欲がない、でも逆に食べすぎてしまう」
「むくみがひどくなった」
これ、気のせいではありません。
上海の梅雨特有の湿気が体の内側に影響しているサインです。
そして、食事を少し変えるだけで、この不調はかなり改善できます。
今日は管理栄養士として、中医学の知恵と栄養科学の両方の視点から、梅雨の体の重さを食事で解消する方法をお伝えします。
なぜ上海の梅雨は特別につらいのか——「湿邪」という概念

上海の梅雨は、日本の梅雨と比べてひと味違います。
湿度が80〜90%を超える日が続き、気温も30度近くまで上がります。
この「高温多湿」の組み合わせが、体にとって非常に負担が大きいのです。
中医学には「湿邪(しつじゃ)」という概念があります。
外からの過剰な湿気が体内に入り込み、体の「気(き)」の流れを滞らせるという考え方です。
| 湿邪の症状 | 具体的な感覚 |
|---|---|
| 体の重だるさ | 朝から体が鉛のように重い |
| むくみ | 顔・足・手がパンパンに張る |
| 消化不良 | 食欲がない、胃がもたれる |
| 頭のもやもや | 集中できない、頭が重い |
| 慢性疲労 | 休んでも疲れが取れない |
栄養科学の視点で見ると、湿気の多い環境では体内の水分代謝が乱れやすくなります。
細胞内外の水分バランスを調整するミネラル(カリウム・ナトリウム)のバランスが崩れ、組織に余分な水分が溜まる。
これがむくみとなり、体の重さや疲労感の原因になります。
梅雨の体を助ける「食事の3つの原則」

では具体的に何を食べればいいのか。上海の梅雨シーズンに特に意識してほしい3つの原則をお伝えします。
原則① 「利水」食材を積極的に摂る
体内の余分な水分を排出する働きがある食材を、中医学では「利水(りすい)」食材と呼びます。
上海のスーパーや市場で手に入る代表的な利水食材がこちらです。
✦ 薏苡仁(ハト麦/薏米 yìmǐ)
梅雨の最強食材。大潤発・联华超市の穀物コーナーで購入可。スープやお粥に。
✦ 冬瓜(とうがん/冬瓜 dōngguā)
利尿作用が高くむくみ解消に効果的。6月から市場に大量に出回る。薄切りにしてスープに。
✦ 緑豆(りょくとう/绿豆 lǜdòu)
解毒・利水作用あり。砂糖少なめの緑豆スープ(绿豆汤)が上海の定番。
✦ きゅうり(黄瓜 huángguā)
水分が多く利尿作用あり。市場で年中手に入り、そのまま食べるだけでOK。
原則② 消化を助ける食事スタイルに変える

梅雨の時期は消化機能が落ちやすくなります。
この時期こそ、消化に負担をかけない食事スタイルが大切です。
| やめること | 理由 |
|---|---|
| 油っこい料理を頼む | 消化不良を引き起こしやすい |
| 冷たい飲み物・食べ物 | 胃腸が冷えて消化機能がさらに低下 |
| 無理に食べきる | 腹八分目が消化器への負担を減らす |
| 取り入れること | 理由 |
|---|---|
| 清蒸(蒸し料理)を選ぶ | 余分な油を使わず消化が楽 |
| 白灼(茹で料理)を選ぶ | 素材の栄養を損なわず消化にも優しい |
| 温かいものを基本にする | 胃腸の働きを正常に保てる |
原則③ 「脾胃(ひい)」を強化する食材を摂る
中医学で「脾胃」とは消化・吸収を司る臓器の概念です。
湿邪は特に脾胃にダメージを与えると言われており、脾胃を強化することが梅雨対策の根本になります。
✦ 山薬(やまいも/山药 shānyào)
消化機能を整える代表的な食材。市場で一般的に売られている。スープや炒め物に。
✦ 南瓜(かぼちゃ/南瓜 nánguā)
脾胃を温め消化を助ける。スープや蒸し物にするのがおすすめ。
✦ 生姜(しょうが/生姜 shēngjiāng)
消化促進・体を温める効果あり。温かい生姜茶を習慣にするだけで大きく変わる。
上海在住の方へ——梅雨の時期におすすめの食事プラン

難しく考える必要はありません。今日から取り入れられる、シンプルで現実的な方法をご紹介します。
| タイミング | おすすめ | 理由 |
|---|---|---|
| 朝食 | いつもの朝食にバナナを1本プラス | カリウムが豊富で余分な水分の排出を助ける。手軽に続けられる。 |
| 昼食 | 外食の冷菜できゅうり料理を選ぶ/納豆があれば積極的に | きゅうりは利水作用あり。上海の中華料理の冷菜メニューで自然に取れる。 |
| 夕食 | カリウムを含む食材を意識して選ぶ (ほうれん草・アボカド・豆腐・きのこ類など) |
むくみの原因となる余分なナトリウムを排出するサポートになる。 |
| 水分補給 | 白湯(常温〜温かい水)をこまめに飲む 冷たい飲み物は避ける |
水分補給は必須だが、冷たいものは胃腸を冷やし代謝を下げる。白湯が最もシンプルで効果的。 |
上海のスーパーや市場で手に入りやすいものを厳選しました。
✦ バナナ — 手軽で続けやすい。朝にそのまま食べるだけ。
✦ きゅうり(黄瓜) — 冷菜メニューで自然に摂れる。
✦ 納豆 — 日系スーパーで購入可。腸活にも効果的。
✦ ほうれん草(菠菜) — 市場で安く手に入る定番野菜。
✦ 豆腐(豆腐) — どの外食でも頼める。毎日食べたい食材。
✦ きのこ類(菌菇) — 上海では種類が豊富。炒め物・スープに。
まとめ——今日から始める梅雨の食事対策
上海の梅雨に体が重くなるのは、あなたの体が「湿邪」に影響されているサインです。
食事を変えることで確実に改善できます。
① ハト麦・冬瓜・緑豆・きゅうりなど「利水」食材を積極的に摂る
② 油っこいもの・冷たいものを控え、消化に優しい食事スタイルにする
③ 山薬・南瓜・生姜で脾胃(消化機能)を整える
④ 外食では蒸し(清蒸)・茹で(白灼)を選ぶ
⑤ 温かい飲み物(生姜茶・ハト麦茶)を習慣にする
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中国在住の方 ▸ WeChat ID: animare09