上海の梅雨に「体が重い」のは気のせいじゃない

INNER BEAUTY NUTRITION — SHANGHAI LIVING GUIDE
上海の梅雨に体が重いのは気のせいじゃない
湿気と食事の知られざる関係
Soigner Healthcare代表— 管理栄養士 SAYA|上海在住14年

上海に住んでいると、5月末から6月にかけて体に変化を感じませんか?

「なんとなく体が重い……」

「朝起きても疲れが取れていない気がする」

「食欲がない、でも逆に食べすぎてしまう」

「むくみがひどくなった」

これ、気のせいではありません。

上海の梅雨特有の湿気が体の内側に影響しているサインです。

そして、食事を少し変えるだけで、この不調はかなり改善できます。

今日は管理栄養士として、中医学の知恵と栄養科学の両方の視点から、梅雨の体の重さを食事で解消する方法をお伝えします。

なぜ上海の梅雨は特別につらいのか——「湿邪」という概念

上海の梅雨は、日本の梅雨と比べてひと味違います。

湿度が80〜90%を超える日が続き、気温も30度近くまで上がります。

この「高温多湿」の組み合わせが、体にとって非常に負担が大きいのです。

 

中医学には「湿邪(しつじゃ)」という概念があります。

外からの過剰な湿気が体内に入り込み、体の「気(き)」の流れを滞らせるという考え方です。

湿邪の症状 具体的な感覚
体の重だるさ 朝から体が鉛のように重い
むくみ 顔・足・手がパンパンに張る
消化不良 食欲がない、胃がもたれる
頭のもやもや 集中できない、頭が重い
慢性疲労 休んでも疲れが取れない

栄養科学の視点で見ると、湿気の多い環境では体内の水分代謝が乱れやすくなります。

細胞内外の水分バランスを調整するミネラル(カリウム・ナトリウム)のバランスが崩れ、組織に余分な水分が溜まる。

これがむくみとなり、体の重さや疲労感の原因になります。

梅雨の体を助ける「食事の3つの原則」

では具体的に何を食べればいいのか。上海の梅雨シーズンに特に意識してほしい3つの原則をお伝えします。

原則① 「利水」食材を積極的に摂る

体内の余分な水分を排出する働きがある食材を、中医学では「利水(りすい)」食材と呼びます。

上海のスーパーや市場で手に入る代表的な利水食材がこちらです。

POINT

薏苡仁(ハト麦/薏米 yìmǐ)
梅雨の最強食材。大潤発・联华超市の穀物コーナーで購入可。スープやお粥に。

冬瓜(とうがん/冬瓜 dōngguā)
利尿作用が高くむくみ解消に効果的。6月から市場に大量に出回る。薄切りにしてスープに。

緑豆(りょくとう/绿豆 lǜdòu)
解毒・利水作用あり。砂糖少なめの緑豆スープ(绿豆汤)が上海の定番。

きゅうり(黄瓜 huángguā)
水分が多く利尿作用あり。市場で年中手に入り、そのまま食べるだけでOK。

原則② 消化を助ける食事スタイルに変える

梅雨の時期は消化機能が落ちやすくなります。

この時期こそ、消化に負担をかけない食事スタイルが大切です。

やめること 理由
油っこい料理を頼む 消化不良を引き起こしやすい
冷たい飲み物・食べ物 胃腸が冷えて消化機能がさらに低下
無理に食べきる 腹八分目が消化器への負担を減らす
取り入れること 理由
清蒸(蒸し料理)を選ぶ 余分な油を使わず消化が楽
白灼(茹で料理)を選ぶ 素材の栄養を損なわず消化にも優しい
温かいものを基本にする 胃腸の働きを正常に保てる

原則③ 「脾胃(ひい)」を強化する食材を摂る

中医学で「脾胃」とは消化・吸収を司る臓器の概念です。

湿邪は特に脾胃にダメージを与えると言われており、脾胃を強化することが梅雨対策の根本になります。

POINT

山薬(やまいも/山药 shānyào)
消化機能を整える代表的な食材。市場で一般的に売られている。スープや炒め物に。

南瓜(かぼちゃ/南瓜 nánguā)
脾胃を温め消化を助ける。スープや蒸し物にするのがおすすめ。

生姜(しょうが/生姜 shēngjiāng)
消化促進・体を温める効果あり。温かい生姜茶を習慣にするだけで大きく変わる。

上海在住の方へ——梅雨の時期におすすめの食事プラン

難しく考える必要はありません。今日から取り入れられる、シンプルで現実的な方法をご紹介します。

タイミング おすすめ 理由
朝食 いつもの朝食にバナナを1本プラス カリウムが豊富で余分な水分の排出を助ける。手軽に続けられる。
昼食 外食の冷菜できゅうり料理を選ぶ/納豆があれば積極的に きゅうりは利水作用あり。上海の中華料理の冷菜メニューで自然に取れる。
夕食 カリウムを含む食材を意識して選ぶ
(ほうれん草・アボカド・豆腐・きのこ類など)
むくみの原因となる余分なナトリウムを排出するサポートになる。
水分補給 白湯(常温〜温かい水)をこまめに飲む
冷たい飲み物は避ける
水分補給は必須だが、冷たいものは胃腸を冷やし代謝を下げる。白湯が最もシンプルで効果的。

POINT — カリウムが豊富な食材リスト

上海のスーパーや市場で手に入りやすいものを厳選しました。

バナナ — 手軽で続けやすい。朝にそのまま食べるだけ。

きゅうり(黄瓜) — 冷菜メニューで自然に摂れる。

納豆 — 日系スーパーで購入可。腸活にも効果的。

ほうれん草(菠菜) — 市場で安く手に入る定番野菜。

豆腐(豆腐) — どの外食でも頼める。毎日食べたい食材。

きのこ類(菌菇) — 上海では種類が豊富。炒め物・スープに。

まとめ——今日から始める梅雨の食事対策

上海の梅雨に体が重くなるのは、あなたの体が「湿邪」に影響されているサインです。

食事を変えることで確実に改善できます。

Summary — 梅雨の食事対策まとめ

① ハト麦・冬瓜・緑豆・きゅうりなど「利水」食材を積極的に摂る

② 油っこいもの・冷たいものを控え、消化に優しい食事スタイルにする

③ 山薬・南瓜・生姜で脾胃(消化機能)を整える

④ 外食では蒸し(清蒸)・茹で(白灼)を選ぶ

⑤ 温かい飲み物(生姜茶・ハト麦茶)を習慣にする

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