「糖質は悪だ。脂質こそ体に良い」
一時期こうした情報が書籍やSNSに溢れましたね。
この考え方を長期間実践し続けた結果、深刻な健康被害を抱えている方が少なくありません。
LDLコレステロール(悪玉コレステロール)の上昇・血糖値の悪化・糖尿病ギリギリのライン・そして体脂肪率の上昇…
これが「糖質は悪だ」という情報を長年実践した多くの方に共通して見られる結果です。
今回はこういった実態をもとに、管理栄養士として糖質制限の真実をお伝えします。

長期の糖質制限が招く3つの深刻な変化
実際に多くのクライアントの食事と血液検査の数値を見てきた中で、「糖質は悪・脂質は良い」という情報を忠実に実践してきた方ほど、糖質をほぼゼロにして、代わりにバター・チーズ・肉の脂身などの脂質を積極的に摂り続けた結果、血液検査の数値が年々悪化しているケースが非常に多く見られます。
変化① LDLコレステロール(悪玉)が上昇
糖質を大幅に減らして飽和脂肪酸(動物性脂肪・バター・チーズなど)を大量に摂り続けた結果、LDLコレステロールが上昇するケースが多く見られます。
血管壁に蓄積して動脈硬化を引き起こすLDLは、心筋梗塞・脳卒中のリスクを高めます。
注意してほしいのは「脂質は良い」という情報の誤解です。
正確には「質の良い脂質は良い」であり、飽和脂肪酸の過剰摂取にはLDLを上昇させる明確なリスクがあります。
変化② 血糖値の悪化——糖尿病ギリギリのライン
「糖質を抜いているのになぜ血糖値が上がるのか」——これには明確な理由があります。
長期にわたる極端な糖質制限は、インスリンの分泌機能を低下させます。
さらに、脂質・タンパク質が多い食事は肝臓での糖新生(タンパク質や脂肪から糖を作る働き)を増加させるため、血糖値が慢性的に高い状態が続きます。
つまり、糖質を抜いても血糖値は上がる可能性があるのです。
変化③ 体脂肪率の上昇——燃費が悪い体へ
さらに深刻なのが体組成の変化です。
体重はそれほど変わっていないにもかかわらず、体脂肪率が上昇し筋肉量が低下しているケースが非常に多く見られます。
糖質を長期間制限すると、体は筋肉を分解してエネルギーを作ります。
筋肉が減ると基礎代謝が下がり、少し食べただけで太りやすい「燃費が悪い体」になります。
加えて、年齢とともに筋肉量は自然に低下するため、この悪循環が加速していくのです。
① LDLコレステロール上昇 — 飽和脂肪酸の過剰摂取による動脈硬化リスク
② 血糖値の悪化 — インスリン分泌低下+肝臓での糖新生増加
③ 体脂肪率上昇・筋肉量低下 — 代謝が落ち「燃費の悪い体」に
年齢とともに体脂肪が増えやすくなる理由

こうした状態をさらに悪化させているのが、年齢による筋肉量の自然な低下です。
30歳を過ぎると何もしなくても筋肉量が徐々に失われていきます。
その結果、同じ食事量でも体脂肪として蓄積されやすくなります。
これに極端な糖質制限による筋肉分解が重なると、代謝の低下がさらに加速します。結果として「以前より食べていないのに太る」「ダイエットしても体重が落ちない」という状態が生まれます。
つまり、年齢を重ねるほど糖質制限ではなく、筋肉を守る食事設計が重要になるのです。
| 年齢による変化 | 体への影響 |
|---|---|
| 筋肉量の自然な低下 | 基礎代謝が下がり太りやすくなる |
| エストロゲンの低下(女性) | 内臓脂肪が蓄積しやすくなる |
| インスリン感受性の低下 | 血糖値が乱れやすくなる |
| 極端な糖質制限を重ねる | 筋肉分解が加速→「燃費の悪い体」に |
「糖質は悪だ」への管理栄養士としての回答
糖質は悪ではありません。
問題は糖質の「量・質・タイミング」です。
管理栄養士として明確にお伝えします。
✦ 糖質は脳・筋肉の主要なエネルギー源。完全に抜くと筋肉が分解される
✦ 問題は「糖質そのもの」ではなく精製された糖質の過剰摂取
✦ 「脂質は良い」は正確ではなく、正しくは「質の良い脂質は良い」
✦ 飽和脂肪酸(バター・肉の脂身)の過剰摂取はLDL上昇リスクがある
✦ 35歳以上は糖質を制限するより筋肉を守る食事が最優先
まとめ——誤った情報を続けるほど体の回復に時間がかかる
「糖質は悪だ」という情報を信じて長年実践した結果、LDLコレステロール上昇・血糖値悪化・体脂肪率増加という深刻な状態になる方が実際に多くいます。
誤った情報は、長く続けるほど体に確実にダメージを与えます。
① 糖質は悪ではない。問題は精製された糖質の過剰摂取
② 「脂質は良い」は誤解。飽和脂肪酸の過剰摂取はLDL上昇リスクがある
③ 極端な糖質制限は筋肉分解→代謝低下→太りやすい体を作る
④ 年齢とともに筋肉量が自然に低下するため35歳以上は筋肉を守る食事が最優先
⑤ 一つの情報源に頼らず専門家に相談して自分に合った食事設計を
「どの情報が正しいかわからない」という方こそ、専門家に一度相談してください。
間違った情報を長く続けるほど、体の回復に時間がかかります。
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中国在住の方 ▸ WeChat ID: animare09